アサヒカメラ・エキサイトブログ コラボ企画 パパ・ママブロガー&プロカメラマンに聞いた!「うちの子」写真の撮り方Part2

ママブロガー FU-KOさんに聞きました。 日常のきらめく一瞬を切り撮るコツは?

かけがえのない時間を楽しみながら
一瞬一瞬を逃さない!

笑顔があふれるゴンちゃん&まめぴーちゃんの写真とともに、手作りを楽しむ毎日をつづったブログが大人気!泣いたり、笑ったり…。けんかもするけれど、仲のよいふたりを見守りながら、ママならではの目線で何気ない日常の中にきらめく一瞬一瞬を切り撮るコツをうかがいました!

FU-KOさん
プロフィール
ブログ FU-KOなまいにち。

お子さんたちの自然な表情がとてもかわいく、ほのぼの感が伝わる写真ばかりですが、自分らしい写真とは? この瞬間を選んだのは?

ありがとうございます!自分らしいというよりは、大好きな写真がこれ。(写真左)我が家の8歳の長女、2歳の息子、きょうだいのポートレートです。3人で美術館に出かけたとき、その中庭で撮ったもの。追いかけっこをして遊ぶふたりを撮りました。とっても楽しそうですが、いつもはケンカばかりなんですよ。これは奇跡的な一枚です(笑)。
息子が遊びに夢中になりすぎてオムツを替えさせてくれず、お尻がもっこりしているのも密かな注目ポイントです(笑)。

カメラ/NIKON D3100 レンズ/AF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8G 設定/「P」モード 絞りF3.2 ISO感度100

同じ理由でこちらも好きな写真。(写真右)どんぐり拾いに公園に出かけたときのおやつシーン。長女が弟のお菓子を盗もうとしているところに、弟のやさしさにより「あーん」してもらっているという…(笑)。娘の戸惑ったようなうれしそうな表情に思わず頬がゆるんでしまいます。

こんなふうに、ふたりのふだんのやりとりがあとになっても思い出せるような、自然な表情が撮れたときはとてもうれしいです。
ほかにも、ただニコニコしているだけではない、子どもの何気ない表情だったり、その場の空気感みたいなものが肌で感じられるのが、自分らしい写真なのかなと思います。

カメラ/NIKON D3100 レンズ/AF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8G 設定/「P」モード 絞りF3.5 ISO感度100

いつもどんなふうに撮っていますか?テクニック的なことも含めてお答えください。

そうですね、専門的な勉強をまったくしていないので、お教えできるような撮り方についての知識はなく、恐縮なのですが…。とりあえず言えることは、どんなときでもカメラを横に置いてたくさん撮ることでしょうか。それから、あまり光量がなくてもブレずに撮れ、背景のボケがきれいな単焦点レンズを使用することかもしれません。

今は書籍などの仕事で忙しくお休みしていますが、子ども服をハンドメイドして販売するショップを長年やってきたので、そのモデルは子どもたちにやってもらってきました。
100枚撮って使える写真は10枚がいいところ…なんて、子ども写真なら毎度のことです(笑)。

構図の取り方や風景の切り取り方は、幼い頃から高校生になるまで習っていた絵画教室の影響があるのかもしれません。今でも植物や風景画などの静物は「これが一番美しく見えるな」って角度を見つけるまで、かなり配置にこだわって撮るタイプです。
でも、子どもが生まれてからはとにかく過ぎ去る一瞬一瞬をすばやく撮りたいので、瞬発力がついたかも。カメラ片手に子どもと公園に出かけたり、道草散歩を楽しむのは、忙しい日々から離れ、思いのほかリラックスできる時間になっているようです。

FU-KOさんの作品 カメラ/NIKON D3100 レンズ/AF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8G 設定/「P」モード 絞りF4.5 ISO感度900
FU-KOさんの作品 カメラ/NIKON D3100 レンズ/AF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8G 設定/「P」モード 絞りF1.8 ISO感度2000

初心者の方は、被写体を中央から少しずらすように心がけてみると、雰囲気のある写真が撮れると思います。また、できるだけフラッシュを控え、自然光のもとで撮るようにしてみてください。

ポートレートを撮るなら背景はあまりごちゃつかないように気をつけてみると、被写体がより引き立ちます。

暗いなら露光を上げて。私はブログにアップする前にPhotoshopでトーンカーブを調整することもあります。Photoshopは有料ソフトですが、今はフリーでも手軽で高機能のソフトがありますので、調べてみてくださいね。

タブーとされている逆光でも、かえってドラマチックに撮れることもあります。逆光のときは露光を上げるようにしていますが、もし暗く感じたらあとでフォトショップでトーンカーブを上げて調整します。

また、NIKONにはアクティブAライティングという、影の部分を自然に明るく調整してくれる機能がありますが、わたしはあえてその機能をOFFにして、影の黒さを際立たせ、ドラマティックに見えるようにしています。あまり深く考えず、いろいろな角度からシチュエーションを変えて撮影を楽しんでみてください。

「うちの子」らしさを引き出すために心がけていることや大切にしていることは?

今では「変な顔を発明したから写真撮って!」と言われることもありますが(笑)。私があまりにカメラを向けすぎて、年頃の娘は嫌がる時期もありました。
それでも、大好物を食べているとき遊びに夢中になっているとき本や物づくりに熱中しているときチャンス
こちらのことを気にせずいい顔をしてくれているので、私も一緒に過ごすかけがえのない時間を堪能しながら撮影も楽しんでいます。

また、私にとってカメラを構えるのは「見守る」ことにつながっているように思います。
子どもって、何かできないことがあるとすぐ泣き出してしまったり、失敗してかんしゃくを起こしたり。けんかしてどっちかが大号泣…とか。
そんなときは、つい手や口を出してしまいたくなるのを、ぐっとこらえて。
「大丈夫、できるよ」って声をかけながらカメラマンとして接していると、そのうち子どもが自分なりに解決法を見い出したり、何度もチャレンジしてできるようになったり…。
ケンカもふたりでどうにか収めることもあります。ほとんどはどっちかが泣き崩れて助けを求めてきますが(笑)。

それから、子どもならではのいたずらや、料理のシーンなどは、これはいい絵が撮れる!とばかりシャッターチャンスです。すると心に余裕が出るので、イライラしたり、必要以上に怒ったりしなくてすんでいるようです。カメラのある子育て生活、いいですよ。

FU-KOさんの作品 カメラ/NIKON D3100 レンズ/AF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8G 設定/「P」モード 絞りF1.8 ISO感度720
FU-KOさんの作品 カメラ/NIKON D3100 レンズ/AF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8G 設定/「P」モード 絞りF1.8 ISO感度2000
FU-KOさんの作品 カメラ/NIKON D3100 レンズ/AF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8G 設定/「P」モード 絞りF1.8 ISO感度500

ふだん気をつけていることや、ママならではのいい瞬間を狙うコツは?

大きすぎて残すことができない作品や、毎日のお絵かきは、物理的にずっと置いておけないので、写真で残すようにしています。こうした作品にも思い出が詰まっていますから。
子どもたちは日々成長しているので、今しかない子どもとの一瞬一瞬は、すべて残しておきたいくらい。なので、カメラはいつも持ち歩いたり、家でもずっと手元に置いて出しておき、ここぞという場面を逃さぬよう、つねにシャッターチャンスを狙っています(笑)。
いつも子どもと一緒にいることが多いお母ちゃんだからこそ、泣いたり笑ったり、日常の中の何気ない一瞬一瞬を切り撮ることができるのかもしれませんね。

FU-KOさんの作品 カメラ/NIKON D3100 レンズ/AF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8G 設定/「P」モード 絞りF2.5 ISO感度500
FU-KOさんの作品 カメラ/NIKON D3100 レンズ/AF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8G 設定/「P」モード 絞りF3.5 ISO感度100

でも、撮ることに必死になりすぎて、本当の目で見ることを忘れているな。そう気づいたときにはあえてカメラをお休みします。
とくに運動会などの記念に残しておきたいイベントは、たいていはプロのカメラマンさんが撮ってくれているので、私は肉眼で見て心に焼きつけることにしています。
実際聞いてみたことはないけれど、たぶん自分が子どもだったら、親には被写体としての自分ではなく、頑張っている姿そのものを見てほしいんじゃないかな、と思うのです。
そのへんのバランスも考えながら、カメラを楽しめたらいいと思いますね。

おすすめのカメラとレンズ、プラスであるといいカメラグッズ

おすすめカメラ/NIKON D3100、RICOH GR

現在使っているカメラはNIKONのD3100という機種です。上位機種と迷いましたが、お店で試したところ、わたしにはとても重くて。ふだん持ち歩くには軽量、コンパクトが一番かなと思い、エントリーモデルのこちらにしました。

ふだん使っているレンズは単焦点の35mm。人間の視野に近い画角です。手ぶれ補正機能は付いていませんが、F値がとても高いので、ほとんどブレることはありません。

とっても暗い町家の我が家でも、日中はフラッシュなしでも大丈夫なぐらいです。ズームはきかないので不便ですが、そのぶん自然な背景ボケが楽しめます。
ときおり、コンパクトデジタルカメラも使います。こちらはricohのGR。トイカメラやクロスプロセス、モノクロなど、多彩な撮影モードが選べて楽しい。動画もこちらで撮影します。

おすすめグッズ/カメラバッグ

カメラバッグはKOHOROを愛用しています。
一眼レフカメラがすっぽり納まるほどよい大きさなので、レンズをつけたままポイっと放り込み、ぶらぶら散歩に出かけることが多いです。牛革製で洋服にもコーディネートしやすいので、ふだんづかいもできて気にいっています。

FU-KOさんが選ぶ思い出深いベストショット

2年前、助産院での息子の出産のとき、主人と娘も立ち会ったのですが、初めて弟を抱っこした娘の表情がやわらかくて大好きです。

今はケンカばかりのふたりだけど、将来はお互い助け合っていける存在になってくれたらいいなと思います。

ママブロガーFU-KOさん
FU-KOさん
ブログ:FU-KOなまいにち。
FU-KOさんこと、美濃羽まゆみさん。築90年の京都の町家で、「思い出に残る服」をテーマに、子育ての合間にハンドメイドをする日々。手作りや子育てのことなど、日々の暮らしをつづったブログ「FU-KOなまいにち。」は、2009年3月スタートし、大人気に。著書はソーイング本が2冊出ているが、2016年1月25日にはブログ「FU-KOなまいにち。」を一冊にしたライフスタイル本『小さなくふう、ていねいな毎日の作り方』が発売予定。
「カメラは長女の出産を機に一眼レフを購入し、すっかり夢中になってしまいました。カメラ片手に子どもと一緒にブラブラ散歩するのが私の楽しみになっています」
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