これは長女が生後2カ月のときの写真です。あやしてくれている義父はとても子ども好きな人で、待望の孫の誕生に大喜びでした。そんな思いに応えるかのように、満面の笑みを浮かべる長女とのやりとりが微笑ましかった。よく考えるとまだ目が見えていなかったのかもしれませんが、心はしっかりつながっていたのでしょう。そんな雰囲気を切り取って、義父にプレゼントできたらと思い、シャッターを切りました。
自分の写真は、自分の眼が見たものそのものだと思います。「いいな」と思った光景を記憶だけでなく、記録としても永遠に残しておきたい…。そういう気持ちで写真を撮っています。娘たちが大きくなって自分たちの写真を見たときに、「パパはこんなふうに私たちを見ていたんだ」と感じてくれたらうれしいですね。この写真のタイトルは『初めまして♪』で、第2回「孫の力」写真コンテストでグランプリを受賞しました。今振り返ると自分の写真の原点だったと思います。
カメラ/CANON EOS40D レンズ/シグマ 50mm F1.4 EX DG HSM(旧型) 設定/絞り優先「AE」モード 絞りF2.8 シャッター速度1/25 ISO感度400 プラス0.7補正こちらは長女が1歳のときの写真です。自宅から15分くらいのところにある公園で撮影しました。ものすごく密集してコスモスが咲いているように見えますが、実際には花の間隔がけっこう空いていました。少しでも花が密集して見えるように、背伸びをしてカメラの高さと角度を調整しています。CANONのEOS20Dというカメラに100mmの単焦点レンズを付けて撮りました。センサーサイズにより焦点距離は160mmになります。中望遠レンズの圧縮効果と単焦点レンズならではのきれいなぼけ味で、イメージ通りに撮ることができました。
この写真の最大の魅力は、妻と娘の表情だと思います。1歳の子どもはカメラを向けても、なかなか良い表情をしてくれません。妻は娘の表情を引き出し、また被写体としても最高の役割を果たしてくれました。「美しい風景の中で、家族が楽しんでいる」という自分の求めるイメージを最初に表現できた写真です。
この写真は『やさしさに包まれて』のタイトルで、第9回埼玉県議会フォトコンテストで県議会議長賞を受賞しました。講評で審査員の先生に「作者の言いたいことがすごく伝わってくる作品」とお褒めの言葉をいただいたことが印象に残っています。
明治安田生命2012「マイハピネス」フォトコンテストの入賞作品『公開モグモグ』と「親子の日」写真コンテスト2012の入賞作品です。うちは子どもたちがまだ小さく、なかなか思い通りの仕草や表情をしてくれません。ましてや、子どもたちとコミュニケーションをとりながら撮影するなんてことは至難の業です。
なので、子どもたちの表情や仕草を引き出すのは妻に任せています。子どもの引立て役が抜群にうまい妻が作ってくれたシーンを、まるごと切り取ることで写真に物語性が生まれ、独特の雰囲気が出ているのだと思います。また、演出なしの写真であるがゆえ、日常のひとコマというリアリティがあります。
ふつうは子どもの写真を撮るとき、周囲の人間はアングルに入らないように気を使いますが、私の家族の場合はすすんで子どもたちに近づき、絡んでくれます。これは自分がどういう写真を撮りたいのかをよく理解してくれているからで、とてもありがたいことだと思っています。ちなみに妻のサポートなしに子どもたちを撮影しようとすると、まったく言うことを聞いてもらえずかなり苦戦します(笑)。
1枚目は第54回富士フイルムフォトコンテスト 特別テーマ部門の大賞作品『先客』という写真です。次女とふたりで留守番しているときに撮ったもので、珍しく被写体と向き合っています。講評では「被写体との距離感が絶妙で臨場感が出ている」と褒めていただきました。素人同然の自分が撮影時にそんなことを意識できているわけもなく、すべては偶然の産物であったと白状します(笑)。
2枚目はノムコムwith Kids ベビー&キッズフォトコンテストの入賞作品『私がお姉ちゃんよ!』です。生まれたばかりの次女と初めて迎えた朝、うれしそうに話しかける長女の表情を狙いました。写真の知識に関しては完全に独学ですが、子どもたちのどんなシーンでも残したいという思いが、年間数万枚という撮影枚数につながっています。そのことでコンテストでは様々なバリエーションの写真の中から、テーマに合った作品を選び込んで応募できるという強みがあるのではないかと思っています。
コンテストに入賞するコツはとにかく多くの写真のストックを持つことかと思います。それらを管理し、できるだけ多くのコンテストに応募してみてください。入賞してもしなくても応募し続けることにより、コンテスト向きの写真がどういうものかわかるようになります。また、コンテストの情報収集も大事で、テーマは何か?いつが締め切りか?結果発表はいつか?…などしっかりと把握しておくことで多くの写真にチャンスが生まれます。こう考えるとコンテストの入賞のコツは撮影とは別の要素も多分にあるような気がします。
見た人の心をとらえるコツは、その写真がものごとの本質をとらえているかどうかだと思います。それができているならば見る人に自然に伝わり、その写真に共感するのではないでしょうか。子どもたちの自然な表情、その場の空気感、和やかな雰囲気…。それらを撮るためにはそういう状況がなくては撮れません。仮に演出して状況を作ったとしてもそれでは伝わらないでしょう。いつ遭遇するかわからないそんなすてきな場面を写真に収めるべく、私はいつでもカメラを持ち歩いて、大切な一瞬一瞬を逃さないようにしています。
第6回「いのち きずな やさしさ」フォトコンテストで優秀賞を受賞した『さ~がりめ♪』という写真です。オリンパスのミラーレス一眼E-PL7とM.ZUIKO DIGITAL 25mm F1.8という単焦点レンズで撮影しました。長女が三女をあやしてくれている様子がとてもよい雰囲気だったので、このカメラをさっと取り出してパチリ。ローアングルからの撮影も背面液晶が傾けられるので、構図を確認しながら撮ることができます。
ふだんはCANONのEOS70Dとシグマの単焦点レンズ50mm F1.4 EX DG HSM(旧型)を使っています。でもこの場合、デジタル一眼レフを持ち出していたら、カメラを意識されて違う写真になっていたことでしょう。小さくて軽く、操作もしやすいので重宝しています。センサーサイズが小さいのでピントの合う範囲が広く、失敗写真になりにくいこともメリットだと思います。アートフィルターという機能が使えるのも、写真に幅ができていいですね。最近はこのカメラで撮った写真の入賞も増えました。
平成25年度京都市人権“ほっと”写真コンテストの入賞作品『家族』です。リモートスイッチを使用して撮影しました。このような家族写真の場合、みんながカメラ目線の写真を狙いますが、リモートスイッチのインターバル機能を利用することで成功しやすくなります。設定は自分の場合、2~3秒間隔で30~50枚程度撮り続けます。1枚くらいは成功するでしょう。この方法のもうひとつのメリットは、集合写真を撮る前特有のガヤガヤした雰囲気も撮れることです。この写真の場合、ふざけてなかなかカメラに視線を向けようとしない長女に祖母がちょっかいを出した瞬間の和やかな雰囲気が撮れています。珍しく自分が写真に写っていることもうれしいですね(笑)。
現在のメイン機種であるCANONのEOS70DとオリンパスのE-PL7はWi-Fi機能を利用してスマートフォンから遠隔操作できます。その際、スマートフォンの液晶画面で構図や被写体の動きをリアルタイムで確認でき、なおかつ露出やピントも変更できます。スマートフォンがあれば専用アプリをダウンロードし、無料で利用できますので使ってみてください。